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H12.7 歯周病(歯槽膿漏)について
中津川歯科医師会 柳沢歯科医院 柳沢 敏夫
現在、厚生省・日本歯科医師会を軸に、全国的な規模で「8020」運動を展開しております。80歳になっても、20本以上の自分の歯を残そうという運動です。
ご存知のように、急速に訪れた少子高齢化社会い対応していくのに社会全体が戸惑っている状態です。年をとっても自分の歯でよく噛んで食事を楽しみ、豊かな社会生活を営むことこそ皆さんの共通の願いであると思います。
歯科医院へ来られる方の大半はむし歯と歯周病です。歯周病は、40歳以降に歯を失っていく大きな要因となっています。
平成5年の歯科疾患実態調査によりますと、35歳から44歳までの27%が歯周炎に罹患し、歯周炎の前の段階である歯肉炎も含めますと、実に81.2%に症状が認められたようで、それ以降は加齢的に歯周病が増悪し、それに伴って喪失歯数も増加しているようです。
残念なことに60歳代になると歯の半分の14本の歯を失い、80歳代では約半数の人がすべての歯を失っております。
常にお口の中は清潔に!
歯周病は歯垢の中の細菌の感染症で、歯の周りが清潔であればかかりません。ですからお口の中を常に清潔にしていることが大切。歯周病にならないための注意事項として次のことを守ってください。
- 1、自己管理が大切で、手遅れにならないように自分で時々鏡を見て歯周の状態を観察すること。
- 2、定期的に歯科医院で検診し、各自歯の並びが違っているので、自分に合った効果的な歯磨きの指導を受ける、歯垢・歯石の除去、食事指導を受ける。
- 3、歯ブラシでは歯と歯の間の部分の歯垢を完全に取り除くことができないので、歯周部清掃用器具(デンタルフロス、歯間歯ブラシ等)を使用する。できれば水圧による歯間マッサージのウォーターピックを使用する。
- 4、近年、喫煙による歯周病の進行がいわれているので、できれば禁煙する。以上を守っていただいて食べ物をよく噛んで食べ、唾液を十分に出すと消化を助けると同時に歯周病の予防にもなります。
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