H13.3 むし歯菌(ミュータンス菌)について
中津川歯科医師会 篠原歯科医院 篠原 求
現在、歯科医師会が中心になり、国をあげての健康づくり運動である「健康日本21」の一環として「歯の健康東濃21」と題し、中津川市・恵那市の就学前児童647人に対して「第一大臼歯保護育成事業」を、全国に先駆けて進めています。
これは口腔内のむし歯(ミュータンス菌)の量を測定して、むし歯の原因として考えられることは、
- 甘味料を取りすぎる場合。
- 日常の歯磨きの回数が少なかったり、しっかりと磨けていない場合。(磨き残しが多い)。
- 歯そのものの質が弱い。(歯の表面のエナメル質の抵抗性が弱い)。
- 唾液の分泌量が少ない場合。(食べ物の流れが良くない)。
- 口腔内にむし歯菌が多い場合。
などが考えられます。
歯磨きの励行と定期検査
その対策として、1. 2. は日常の生活習慣で糖分を制限したり、正しいブラッシング方法を行うことで対応します。3. は遺伝的な原因が考えられ、フッ素を塗り歯質を強化します。4. はよく「咬む」ことで、唾液量を促すことができます。20〜30回は咬むようにして、ゆっくり食事をとるようにして下さい。
4. が今回行われている「第一大臼歯保護育成事業」についてで、一般に口腔内には約300種類の細菌があり、特にその中の「むし歯菌」は歯の表面に付着し膜を作り、糖分と反応して酸を発生し、むし歯を作るわけです。
調べ方は、唾液を採取して研究所へ送り、「むし歯菌」の量を測定します。その結果、むし歯菌が口腔内に多いと認められた場合、1. 歯の表面のむし歯菌の膜を歯科医院でとります。(スケーリング)2. 食後、磨き残しがないように、正しいブラッシング方法を指導してもらいます。(プラークコントロール)3. 家庭では、薬液(クロルヘキシジン)を、キャップに入れる3分間、歯に調薬します。
これを約一ヶ月間おこない、口腔内の「むし歯菌」を減らすわけです。しかし「むし歯菌」が減ったからといっても、生活習慣が変らなければ、また菌は増えてしまいます。それを防ぐためには、正しい食生活、歯磨き、そして定期検査を受けていただくことが大切です。
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