H14.11 よく噛むことの効用
渡辺歯科医院 院長 渡辺 幹泰
近年私達は、食べ物をよく噛まなくなってきています。現代人が、ひと口の食べ物を噛む回数は平均10回程度で、これは昭和10年頃と比べて半分以下、卑弥呼の時代(弥生時代)の6分の1以下の回数と言われています。このような咀嚼回数の減少は、歯や歯ぐきにとって良いことではありません。そこで「よく噛むこと」のメリットをいくつかあげてみます。
- 消化機能の促進。
- 味覚の発達を促す。
- 歯や歯ぐき、顎の骨を丈夫にする。
- 肥満の防止(ゆっくりと時間をかけてよく噛むことで、血糖値が上昇し、満腹感が得られ、過食を防ぐ)。
- ガンの予防効果(よく噛むことで唾液の分泌が増加し、唾液中のペルオキシダーゼという物質が食品中の発ガン物質の発ガン性を著しく低下させる)。
- 老化防止効果、頭が良くなる。(唾液には老化防止ホルモンといわれるパロチンが多く含まれ、またよく噛むことが濃への血流量を増大させる)。
- 表情豊かで、若々しい顔つきの維持。
- 良い姿勢を保ち、運動能力を高める。
- 情緒を安定させる。
以上のように、よく噛むことと全身の健康との関わりが注目されています。
そして重要なことは、食べ物を何でもおいしく、よく噛んで食べられるためには、歯や歯ぐきが健康でいなければいけません。
現在、歯も歯ぐきも健康な人は、その状態を一生維持するように頑張ってください。
不幸にして、虫歯や歯周病などで悪くなっているひとは、治療することによって、できるだけ健康な状態に回復し、よく噛めるようにすることが大切です。あきらめずに歯科医と相談してください。
そのためには、あなたのお口の健康を管理してもらえるホームドクターを持つことが良いと思います。
|