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H15.7 口に係わる癖について
山内小児歯科 山内 哲哉
子供の口に係わる癖には、「指しゃぶり、舌癖(舌の突出癖)、咬唇癖、爪噛み」などいろいろあります。その中で代表的なものは「指しゃぶり」です。お母さん方にとっては、一番気になる癖ではないでしょうか?
しかし、子供にとって「指しゃぶり」は、精神的、なおかつ心理的にも深い安らぎの得られる行為であり、注意してもなかなか止めることができません。あまり口うるさく言うと、かえって逆効果になることも考えられます。4〜5歳までに、自然に止めるのを期待して成長期に根気よく経過を見守るのも良いと思います。
また、本人が自覚した時点で、注意を促しても遅くないと思います。決してしかったり、無理に止めさせようとしないことが大切です。
しかし、長期に渡る指しゃぶりは、上顎前突(前歯の歯列が下の歯列より出ている状態で、いわゆる出っ歯)や開咬(奥歯で噛んでも上下前歯が開いてしまう状態)となり、しいては舌癖へと移行していきます。このように、歯列や噛み合せに異常がみられたりする時は、癖を防止する装置を使用することもあります。
また、舌癖や咬唇癖は口元だけの動作なのと、あまり目立たないために、なかなか見つけにくく検診などで指摘されることが多いと思います。これらの癖も、やはり自然に止めるのが一番良いのですが、舌や口の周囲の筋肉に関連しているため、習癖防止装置の使用や筋機能療法による訓練(筋肉のトレーニング)、または矯正歯科治療を行わないと治らないかもしれません。
以上のような癖を持つ子供さんでお困りの方は、一度「かかりつけの歯医者」の先生に相談してみてください。(子供さんの年齢、習癖の種類、頻度、強さによって、歯列への影響が異なります。)とっておきの秘策があるかもしれません。
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