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H17.3 歯ぎしり(ブラキシズム)について
原眞平歯科診療質 原 眞平
咀嚼筋(物を食べたりするときに使う筋肉群)が、何らかの理由で異常に緊張することで、次のことが起こります。いわゆる「歯ぎしり(グラインディング)」は無意識に上下の歯をこすり合わせたりするもので、主に睡眠中に起こり、キリキリと音がします。
「くいしばり(クレンチング)」は歯を強く噛むもので、主に昼間行われます。また、「タッピング」は、上下の歯をカチカチと噛みあわせる習癖をいい、睡眠中や起床時に行われます。
それぞれの原因はまだ十分に明らかにされていません。
一般に、精神的ストレス、疲労、噛み合せの不調和などで、下顎運動を支配する中枢を興奮させることにより、これらの以上運動を引き起こすとされています。咀嚼筋の異常緊張により顔面・頭・顎・肩などの筋群も緊張し、疲労性疼痛、偏頭痛、肩こりが生じたり、顎関節の疼痛や機能障害も生じることもあります。歯に対しては、異常に強い噛み締めとすり合わせの結果、歯が異常にすり減ったり、噛む力がかかりすぎて歯にヒビが入ったり、歯が折損してしまうこともあります。
また、噛み合せの不調和から、歯周組織(歯が植わっている周り)に過大な負担がかかり歯が動くようになり、周りの歯周組織が破壊され、歯周疾患が憎悪する一要因となっています。歯ぎしりの治療法としては、噛み合せの調整をしたり「ナイトガード」というマウスピースを装着したり、精神的ストレスをできるだけ取り除くこと、自己暗示療法などを行う方法があります。
歯ぎしりなどでお困りの方は、一度かかりつけの歯医者にご相談ください。
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